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不動産流通業界で問題化している、いわゆる「囲い込み」問題の解消に向けた抜本的な対策が、年明けからにも本格化しそうです。

自民党政調会の住宅土地・都市政策調査会の「中古住宅市場活性化小委員会」(委員長=鶴保庸介参議院議員・元国土交通副大臣)がまとめた「中古住宅市場活性化に向けた8つの提言・中古市場に流通革命」を受けて、国土交通省がその具体化を図るものです。

これまでも、自民党のこの小委員会では、昨年5月に発足して以降、中古住宅市場の活性化をもたらすための必要な検討を行ってきています。特に平成27年度の予算・税制改正においては、

①「買取り再販事業」にかかわる不動産取得税の軽減措置の創設
②住宅金融支援機構のフラット35におけるリフォームを含めた中古住宅の取得費用に対する融資の実施
③住宅リフォーム事業者団体登録制度の創設

など重要な改善策を講じてきました。

中古市場活性化の「8つの提言」

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今回は、平成28年度以降に向けての「8つの提言」をし、その中で、「早急に実現すべき事項」(この1~2年をめどに実現すべき措置)と、「中期的に実現すべき事項」(この2~3年以降に実現すべき措置)との、2つに分けて取りまとめました。

その1丁目1番地の政策ともいうべき「提言1」は、「いわゆる「囲い込み」の解消に向けたレインズ(指定流通機構)ルールの抜本的改善」です。

これは、宅建取引業者の中で、売主・買主の双方から仲介手数料をもらうことを狙って、正当な理由もなく、他の仲介業者への物件の紹介を拒否するなどのいわゆる「囲い込み」行うものが存在していることを、問題化しているものです。

改善なければ、「処分・罰則の強化」へ

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これらの「早急に実現すべき事項」として、他の事業者への紹介ができない状態にあるか否かを、システム上に客観的に明示させるとともに、売主が自らの物件の登録状況を確認できるようにする仕組みの「ステータス管理機能」を、レインズ・システムに年初からにも導入します。

この「ステータス管理機能」の導入によっても、「囲い込み」取引の改善が見られない場合は、次の「中期的に実現すべき事項」として、「違反者への処分・罰則の強化を図る」こととし、次期通常国会を視野に宅建取引業法の改正がされます。

また、レインズの利用拡大と、その機能の充実を図るため、レインズの利用ルールの強化(具体的には「登録までの期間の短縮」等)と、登録情報の充実を検討しています。

なお、「8つの提言」のうち、他の7つの提言は、「インスペクション等の活用促進による情報の非対称性解消に向けた新たな取引ルールの構築」や、「長期優良住宅の普及、一般住宅のリフォーム履歴等の保存・活用」、「中古マンションの管理情報の開示」、「新たなビジネスモデルと、その環境整備」等、いずれも早急に取り組むべき重要事項です。

これらの「7つの提言」の内容については、次回解説していきます。

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