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昨年(2016年)1年間の首都圏の中古マンションの成約件数(3万7,189件、前年比6.9%増)が過去最高記録を更新し、新築マンションの昨年1年間の供給量(3万5,772戸、前年比11.6%減)を初めて上回りました。
ここ数年、首都圏のマンション市場は、新築の供給が先細りしてきており、その一方で中古マンションの成約件数が着実な伸びを見せ、新築の供給量に迫っていました。それが昨年、中古の成約が新築の供給量を追い抜いたことにより、「新築よ、さようなら。中古よ、こんにちは」の新しい時代の到来となったようです。

新築マンションは、7年ぶりの4万戸割れで、3年連続の供給ダウン

首都圏マンション市場の具体的な動きを見てみましょう。
まず新築マンションの昨年の年間供給量は3万5,772戸で3年連続の供給減となり、リーマンショック翌年の2009年の実績(3万6,376戸)以来の7年ぶりの4万戸割れとなりました。地域別では、特に東京都下(25.0%減)と都区部(20.1%減)の落ち込み幅が目立っております。調査元である不動産経済研究所の今年(2017年)の新築年間供給量予測は、2年連続4万戸割れの3万8,000戸になる見通しです。

新築マンションの販売契約率を見ても、昨年の初月契約率の平均は68.8%となり、これも2009年(69.7%)以来の70%割れとなっています。ちなみに2010年は78.4%、11年が77.8%、12年76.3%、13年79.5%、14年75.1%、15年74.5%と6年間70%台の実績があり、売れ行きは比較的好調でした。つまり、売れ行きは昨年から陰りを見せ始めています。

中古の成約件数は、2年連続の上昇で、過去最高を記録

これに対し、首都圏の中古マンションの流通市場はというと、ここ数年、活発な伸びを見せています。東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)がまとめた首都圏の昨年の中古マンションの成約件数は、3万7,189件(前年比6.9%増)で、2年連続で前年を上回りました。これまでの最高記録の2013年の3万6,432件を超えて過去最高を更新したばかりか、初めて新築マンションの供給量を上回るという中古住宅流通時代の到来を強く印象付け、不動産流通市場のけん引役となっています。

中古の成約物件価格は、22年ぶりに3,000万円の大台乗せ

その中身を見ても、成約物件の1平方メートル当たりの平均単価は前年比5.9%アップして47.92万円となり、すべての都県・地域別で4年連続の上昇となっています。また、成約物件価格も3,049万円(前年比5.4%上昇)で4年連続で上昇し、1994年以来の実に22年ぶりに、3,000万円の大台乗せとなっております。もちろん、都県・地域別にみても、すべてのエリアで上昇しています。

また、成約物件の平均専有面積は63.63平方メートル(前年比0.4%の縮小)と、わずかながら縮小し、平均築年数は20.26年(前年は20.13年)で、経年化は進んでいます。新規登録件数は19万4,336件(前年比9.6%増)で、2年連続で前年を上回っています。

AIやVRを活用してIT化の推進を

Virtual Room - Man mit VR-Brille bewegt sich in einem virtuellen Raum

中古マンション市場が今後さらに活性化し成長していくためには、乗り越えるべき課題も多く横たわっております。たとえば、中古物件の建物評価方法やインスペクション(建物の診断)の仕組みの整備、中古物件情報の公開・透明性の向上等の中古流通システムの改革などです。最近ではAI(人工知能)やVR(仮想現実)の最新テクノロジーを活用したIT化の推進なども重要になってくるでしょう。これらの解決に向けて、一歩一歩前進していくことが今後の課題となってくるでしょう。